お金より先に尽きるのは、時間のほうです。
前回の記事では、両親が強い信念を持って私の学費を工面してくれたお話をしました。そうして送り出してもらった地方での大学生活。一人暮らしを始める私に、両親はさらに大切な言葉を授けてくれました。
「学費や生活費は出すから、バイトに明け暮れるのではなく、その時間でしっかり勉強しなさい」
この言葉が、私の学生時代の過ごし方を決定づけました。
この記事の要点
- 両親が求めたのは目先のお金ではなく、学生にしかできない経験に時間を投資すること
- アルバイトはした。ただし選んだのは大学構内の食堂。通勤時間ゼロで学業に支障が出ない
- 「お金の心配はしなくていい」と言われたからこそ、自分に規律を課した
- 高校時代から続けた弁当作りは、一人暮らしで生きていくためのスキルに変わった
- 得たのは、社会に出てからも支えになる「心の貯金」
「時間」という資産を何に投資するか
大学生になると、多くの友人が自由に使えるお金を求めてアルバイトに精を出していました。しかし、両親が私に求めたのは、目先のお金を稼ぐことではなく、「学生にしかできない経験に時間を投資すること」でした。
もちろん、社会経験としてアルバイトも経験しました。選んだのは、大学構内の食堂での皿洗いです。
| 選んだ理由 | 得られたもの |
|---|---|
| 通勤時間ゼロ | 講義の合間や終了後にすぐ働ける |
| 規則正しい生活 | 学業に支障が出ない範囲で働ける |
同じ時給でも、通勤に往復1時間かかる仕事とゼロの仕事では、実質的な価値がまったく違います。 当時そこまで言語化できていたわけではありませんが、結果として時間あたりの効率が最も高い選択をしていました。
時間を有効活用できる場所を選んだことで、両親の教え通り、専門分野の勉強はもちろん、所属していた音楽サークルの活動にも目いっぱい打ち込むことができました。
「節約」と「自立」を両立させた一人暮らし
お金の心配はしなくていいと言ってもらえたからこそ、私は逆に「無駄遣いをしてはいけない」という規律を自分に課しました。
安い学食を利用したり、自分でお弁当を作って講義に持参する。夜は自炊を徹底する。
高校時代から続けてきた「自分でお弁当を作る」習慣は、一人暮らしでさらに磨かれ、単なる節約術を超えて「生きていくためのスキル」へと変わりました。
お金をかけずに、いかに豊かな生活を組み立てるか。限られた仕送りの中で工夫する日々は、後の資産運用に不可欠な「生活防衛の基礎」を私に叩き込んでくれたのです。
最高の学生時代という「心の貯金」
お金の心配をすることなく、学び、奏で、友と語り合った4年間。
この時期に得た知識や感性、そして「やりきった」という自信は、社会に出てからどんな困難に直面しても私を支えてくれる「心の貯金」になりました。
親が私に贈ってくれたのは、単なる「お金」ではありませんでした。将来、自分の力でお金を稼ぎ、増やし、人生を豊かにしていくための「準備期間という名の贅沢な時間」だったのです。
学生時代の時間を無駄にしないための3つの視点
振り返ると、私が意識せずにやっていたことは次の3つでした。
- 拘束時間で仕事を選ぶ — 時給ではなく、往復の移動を含めた「その仕事に奪われる時間」で比べる。構内の食堂を選んだのはこれに尽きます
- 今しかできないことを先に埋める — 勉強もサークルも、社会に出てからでは同じ密度で取り組めません。後からできることを後回しにする、という順番です
- 支出を絞る技術を身につけておく — 自炊と弁当作りは、収入を増やさずに使える額を増やす方法です。これは学生時代に限らず一生使えます
これまでの10回で書いてきたこと
これまで10回にわたり、私の幼少期から学生時代までのお金にまつわるエピソードをお届けしてきました。
| テーマ | 該当する回 |
|---|---|
| 貯金箱から始まった「目標設定」 | 第1回 |
| 学校貯金や信用金庫で学んだ「仕組み化」 | 第2回・第3回 |
| 500円札や眼鏡、学費に込められた「人の想いと投資」 | 第4回・第7回・第9回 |
| 福袋やお弁当作りから得た「規律と工夫」 | 第5回・第6回・第8回 |
「お金を増やす」という言葉の裏には、必ずこうした「人生の経験」と「価値観」が隠れています。
よくある質問
Q. 大学生はアルバイトをしないほうがよいのですか?
そうは思いません。私も社会経験として働きました。大切なのは選び方です。時給の高さだけで選ぶと、移動や不規則な勤務で学業の時間が削られます。私が構内の食堂を選んだのは、通勤時間がゼロだったからです。
Q. 仕送りだけで一人暮らしはできますか?
工夫次第で可能だと思います。私は学食を活用し、弁当を作り、夜は自炊を徹底していました。支出を絞る技術があれば、限られた金額でも生活は成り立ちます。
Q. 学生時代は何に時間を使うべきですか?
社会に出てからでは同じ密度で取り組めないことを優先するとよいと思います。私にとっては専門分野の勉強と音楽サークルでした。アルバイトは卒業後もできますが、学生としての4年間は戻ってきません。
Q. 節約を意識すると学生生活は寂しくなりませんか?
私はそう感じませんでした。むしろ「お金の心配をしなくていい」と言われたからこそ、自分から規律を課しました。制約があったほうが、何を大切にするかがはっきりします。
まとめ:お金との幸せな付き合い方を、これからも
このブログでは、具体的な投資の手法だけでなく、私が両親やこれまでの人生から学んできた「お金との幸せな付き合い方」をベースに、皆さんと一緒に資産を育てていくヒントを発信していきたいと思っています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
次回予告|次回からは新カテゴリー「預金いろいろ」です。初回は、手取り16万円の初任給と、両親に断られた仕送りの話からお届けします。
※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の金融商品を推奨するものではありません。


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