第6回 欲しいものがあるなら作る|消費ではなく創造にお金を使うという贅沢

第6回 布地屋 原点と20年の歩み
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「買う」以外の選択肢を持っている人は、お金の使い方が変わります。

我が家では「欲しいものがあるなら作る」が当たり前でした。母の手から生まれたものに囲まれて育った結果、私の中には「欲しいものは、自分の手で作ることができる」という確信が残りました。

これまでお小遣いのやりくり福袋での失敗についてお話ししてきましたが、私の中にはもう一つ、お金と向き合う上での大切な価値観があります。今回はその話です。

この記事の要点

  • 実家の向かいは布地屋さん。手提げ袋も体操着入れも、いつも母の手作りだった
  • お小遣いは月1000円。しかし手芸の材料費だけは「お小遣いとは別」という家庭のルールがあった
  • これは「消費」ではなく「創造」にお金を使うことを教える仕組みだった
  • 小学5年生で作ったファスナー付きバッグは、数十年経った今も現役で使っている
  • 知恵と工夫は、どんな金融商品にも負けない「一生モノの資産」になる

実家の向かいにあった、魔法の布地屋さん

私の実家のすぐ向かいには、小さな布地屋さんがありました。

小学校で使う手提げ袋や体操着入れなどは、いつも母の手作り。独身時代に編み物教室や洋裁教室に通っていたという母は、ミシンや編み針を魔法のように使いこなす人でした。

赤ちゃんの頃に着ていた毛糸のセーターも、日々の暮らしを彩る布小物も。我が家には、母の手から生まれた「一点もの」が溢れていました。

手芸の材料費だけは「お小遣いとは別」だった我が家のルール

小学校低学年の頃から、私は母の隣で裁縫や編み物を教わり始めました。そこで面白かったのが、我が家のルールです。

用途出どころ
お菓子、漫画などを買うお小遣い(月1000円)
手芸に使う布・毛糸・道具母が別に出してくれた

当時の私はただ嬉しくて材料を選んでいましたが、今思えば、母は私に「消費」ではなく「創造」にお金を使うことの価値を教えてくれていたのだと思います。

財布を分けるという、それだけの仕組み。 けれど子どもにとっては「これは特別なお金の使い方なのだ」と伝わるには十分でした。

小学5年生、ミシンで挑んだ「憧れのバッグ」

高学年になった頃、友達が持っていた可愛い手提げバッグがどうしても欲しくなりました。

「買って」とねだるのではなく、私は「自分で作ってみよう」と思い立ちました。

母のミシンを借り、見よう見まねで型紙を引き、ファスナー付けにも挑戦。そうして出来上がったのは、世界に一つだけのファスナー付きバッグでした。

驚くべきことに、その時作ったバッグは、数十年経った今でも私の手元にあります。 今は「編み物道具入れ」として現役で活躍しており、それを見るたびに、当時の達成感がよみがえります。

買うか、作るか|手作りが家計にもたらす3つの効果

この経験は、大人になった今の私の「お金の使い方」に大きな影響を与えています。

効果内容
価値を自分で生み出す既製品を買うだけでなく「作る」選択肢を持つことで、出費を抑えつつ満足度の高いものを手に入れられる
道具を大切にする自分の手を動かして作ったものは愛着が湧き、長く大切に使う。結果として買い替えのコストが減る
生み出す楽しさを知るお金を使うこと以上の喜びが「作るプロセス」にあると知ることで、無駄な浪費が減る

注目したいのは2番目です。前回の福袋は買った翌日には興味を失いましたが、自分で作ったバッグは数十年使い続けています。支払った金額ではなく、かけた手間が愛着を決めていました。

「作る」という選択肢を持つために

上手に作れる必要はありません。必要なのは、欲しいものを見たときに「これ、作れないかな」と一度考える習慣だけです。

  1. まず一つ、最後まで作り切る — 完成品が手元に残ると「作れる」が実感に変わります。小さなものから始めて構いません
  2. 道具に投資することを惜しまない — 母が材料費を別枠にしてくれたのは、ここでケチると続かないと分かっていたからだと思います
  3. 完璧を目指さない — 私が引いた型紙は見よう見まねでした。それでも数十年使えています

知恵と工夫は、最強の資産になる

お金を増やすというと、どうしても「いかに入金するか」「どの銘柄を買うか」といった外側の話になりがちです。

でも、根本にあるのは「自分の知恵と工夫で、暮らしを豊かにする力」ではないでしょうか。

母が教えてくれた手仕事の習慣は、私にとって、どんな金融商品にも負けない「一生モノの資産」になっています。

よくある質問

Q. 手作りは本当に節約になりますか?

材料費だけを見れば、既製品より高くつくこともあります。節約の効果は「長く使うこと」から生まれます。 私が小学5年生で作ったバッグは数十年使い続けているので、1年あたりの費用はごくわずかです。

Q. 子どもに手芸を教えるのは何歳からがよいですか?

私は小学校低学年から母の隣で教わり始めました。最初から一人で作らせる必要はなく、隣に座って見ているだけの時期があってよいと思います。自分で作りたいと言い出すまでの助走期間になります。

Q. なぜ材料費だけお小遣いと別だったのですか?

お菓子や漫画は使えばなくなりますが、布や毛糸は何かに変わります。この違いを子どもに伝えるのに、財布を分けるのが一番わかりやすい方法だったのだと思います。

Q. 不器用でも作れますか?

私が小学5年生で引いた型紙は、見よう見まねの我流でした。それでも数十年使えるものになっています。仕上がりの美しさより、完成させた経験のほうが後に残ります。

まとめ:買う以外の選択肢を持つということ

「ないなら作る」は、節約術ではありません。欲しいものを手に入れる方法が、買うこと以外にもあると知っている状態のことです。

その選択肢を持っているだけで、お金の使い方は静かに変わっていきます。

次回予告第7回 眼鏡代より子供の「学び」を|両親のお金の使い方の優先順位は、両親が「お金」より「子供の可能性」を選んだ話です。小学6年生のとき、眼科医から突きつけられた究極の選択についてお話しします。

※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の商品や金融商品を推奨するものではありません。


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