第34回 コロナショックでも「これまで通り」|リーマンがくれた投資の免疫

第34回 コロナショック 投資信託いろいろ
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暴落のときに一番難しいのは、何もしないことです。

2020年(令和2年)、世界は未曾有の事態に見舞われました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、いわゆる「コロナショック」です。

積み上げてきた資産が目に見えて減っていく中、私がとった行動は「何もしない」こと。つまり、これまで通りの積み立てを淡々と続けることでした。

この記事の要点

  • 2020年2月、株価が急落。評価額は数十万円単位で目減りした
  • それでも積立設定は1円も変えなかった
  • 冷静でいられた理由は、投資デビュー直後のリーマンショックという原体験
  • 「底で買って天井で売る」という芸当は自分にはできないと知っていた
  • 嵐が去ったあと、評価額は以前を上回る水準まで回復した

画面越しに見た、急落する評価額

2020年2月。それまで順調に右肩上がりだった株価は、崖から転落するように急落しました。

毎日アプリを開くたびに、投資信託の評価額は数十万円単位で目減りしていきます。

多くの投資家がパニックに陥り、SNSなどでは悲観的な言葉が飛び交っていました。しかし、私の心は意外なほど冷静でした。

リーマンショックが私にくれた「免疫」

私が冷静でいられた最大の理由は、投資を始めたばかりの頃に経験した「リーマンショック」の記憶があったからです。

投資を始めた直後に資産が大きく削られるという手痛い洗礼を浴びた経験が、私の中に「相場への免疫」を作っていました。

「ビギナーズラック」がなかったからこそ

  • 自分の相場観を過信せず、「相場はいつか暴落するものだ」と身をもって学べた
  • 初心者時代に「暴落の痛み」を経験済みだったので、今回のショックでも過剰な拒絶反応(狼狽売り)が出なかった

この時の経験が強力な「抗体」となり、パニック相場というウイルスから私を守ってくれたのです。

2008年と2020年、何が違ったのか

同じ「暴落」でも、私の行動はまったく違いました。

2008年(リーマン)2020年(コロナ)
判断「安い」と考えて追加投入設定を変えず継続
買い方まとまった額を一度に毎月、自動で
感情の関与大きい(自分で決めた)ほぼなし(仕組みが動いた)
結果長期の元本割れ回復後も保有継続

「安いときに買う」という発想は、2008年の私も持っていました。 違ったのは、それを自分の判断で一度にやったか、仕組みに任せて毎月やったかです。

第26回 NISAの始まりとネット証券|自動リバランスの8資産均等型で書いた通り、正しかったのは考え方で、間違っていたのは実行の仕方でした。12年かけて、そこがようやく直ったのだと思います。

教科書通りの「ドルコスト平均法」を貫く

私は自分の能力を過信しませんでした。「底で買って天井で売る」なんて芸当は自分にはできない。

だからこそ、教科書通りの「ドルコスト平均法」と「Buy & Hold(買って持ち続ける)」を徹底したのです。

  • 継続:毎月の積み立て設定は1円も変えず、予定通り買い付け
  • 不倒:評価額がマイナスになっても、将来の回復を信じて売却ボタンには触れない

株価が下がっている時期は、同じ金額でも「より多くの口数」を買える絶好のチャンスだと自分に言い聞かせました。

嵐が去った後に見えた景色

その後、株価は驚異的なスピードで回復し、私の投資信託の評価額も以前を上回る水準まで戻りました。

暴落時に怖くなって売却してしまった人と、投資の免疫を持って買い続けた私とでは、その後の資産の伸びに決定的な差がつきました。

「相場の嵐はいつか止む。その時、船に乗っていなければ恩恵は受けられない」

ただし、正直に書いておきたいことがあります。コロナショックの回復が速かったのは、結果論です。

リーマンショックのときは、元本を取り戻すまでに9年かかりました「持ち続ければ必ず、すぐに戻る」わけではありません。 何年待てるかを含めて、自分の資金の性格を知っておくことが前提になります。

この経験を通じて、私の投資スタイルは揺るぎないものになりました。この強固なメンタルがあったからこそ、私は2024年の新NISAという新たなステージへ、自信を持って進むことができたのです。

暴落のときに売らずに済む3つの備え

嵐のさなかではなく、穏やかなうちに用意しておくことが大切だと感じています。

  1. 判断を挟まない仕組みにしておく — 自動積立なら、暴落中も勝手に買い続けてくれます。「今買うべきか」と考えなくて済むことが最大の防御でした
  2. すぐ使うお金は投資に入れない — 生活費が投資に入っていると、下がったときに売らざるを得なくなります。置き場所を分けておくことが効きます
  3. 何年待てるかを先に決めておく — リーマンでは9年かかりました。待てない期間の資金は、そもそも入れないという線引きです

よくある質問

Q. 暴落したとき、売るべきでしょうか?

私は売りませんでした。ただしこれは「売らないのが常に正解」という意味ではありません。 生活が立ち行かなくなるなら、売る判断も必要です。大切なのは、そうならないようあらかじめ余裕資金で行っておくことだと思います。

Q. なぜ冷静でいられたのですか?

一度経験していたからです。投資を始めた直後にリーマンショックで痛い目に遭い、「相場は暴落するもの」と身体で覚えていました。初めての暴落で冷静でいるのは、誰にとっても難しいと思います。

Q. 暴落のとき、積立額を減らしたほうがよいですか?

生活が苦しいなら減らしてよいと思います。私も第17回では月5万円を3万円に下げました。やめるのではなく、続けられる額まで下げる。 それが最も現実的な対処だと感じています。

Q. コロナのように、暴落は必ず回復するのですか?

保証はありません。 コロナショックの回復が速かったのは結果論で、リーマンショックのときは元本回復まで9年を要しました。過去の値動きは将来を約束するものではないという前提で臨む必要があります。

まとめ:失敗が、いちばんの防具になった

コロナショックで私を守ってくれたのは、優れた相場観でも強い意志でもありませんでした。12年前に大損した記憶と、判断を挟まない自動積立の設定です。

うまくいかなかった経験は、無駄にはなりません。次の嵐が来たときの抗体として、静かに効いてくれます。

次回予告第35回 8資産均等型からオルカンへ|データを見直し積立先を一本化は、その暴落が教えてくれたもう一つのことです。守りだと信じていたバランス型の実力をデータで確かめ、積立先を変えた話をお届けします。

※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。過去の値動きや回復の実績は、将来の成果を保証するものではありません。投資信託は価格変動により元本を割り込む可能性があります。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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