「今なら1本で済むこと」を、当時は3本かけてやっていました。
2015年にSBI証券を開設して以来、私の投資環境は劇的に変わりました。郵便局の窓口やネット窓口とは比べものにならないほど、扱っている投資信託の数が膨大だったからです。
「この中から、自分に最適な組み合わせを自由に作れる」
その自由度の高さに胸を躍らせ、私はNISA口座だけでなく、特定口座も併用しながら、自分なりの資産形成を加速させていきました。
この記事の要点
- NISAの年間投資枠が100万円から120万円に拡大(2016年〜)
- 2017年1月、NISAと特定口座を併用して月5万円を8資産均等型に投じた
- わずか1ヶ月後の2月、株式の比重を高めるためにポートフォリオを組み替え
- 日本株式・外国株式を個別に買い、バランス型と組み合わせる「合わせ技」
- 当時はまだ、低コストの全世界株式ファンドが存在しなかった
2017年1月:非課税枠の拡大と「拡大期」
2014年に始まったNISA制度ですが、実は途中で大きな改正がありました。
| 時期 | 年間の非課税枠 |
|---|---|
| 2014年〜2015年 | 年間100万円まで |
| 2016年〜 | 年間120万円へ拡大 |
<small>※旧NISA(一般NISA)当時の内容です。現在の制度とは異なります。</small>
非課税で運用できる金額が増えたことは、私にとって大きな追い風でした。2017年(平成29年)1月、私は積立設定を一段階引き上げ、特定口座も組み合わせてさらなる資産積み上げを狙いました。
| 口座 | 商品 | 毎月の積立額 |
|---|---|---|
| NISA口座 | eMAXIS バランス(8資産均等型) | 20,000円 |
| 特定口座 | eMAXIS バランス(8資産均等型) | 30,000円 |
合計で月5万円。すべて「8資産均等型」に投じることで、世界中の資産へバランスよく投資する盤石な体制を作りました。
しかし、勉強を続けていた私の探求心は、ここで止まりませんでした。
2017年2月:自ら「比率」をカスタマイズする決断
積立を開始したわずか1ヶ月後の2月、私はポートフォリオの大胆な見直しを行いました。
「8資産均等型」は非常に安定していますが、より資産を成長させるために**「株式」の比重を高め**、かつ「日本株式」と「外国株式」にしっかり分散したいと考えるようになったのです。
| 口座 | 商品 | 毎月の積立額 |
|---|---|---|
| NISA口座 | ニッセイ 日経平均インデックス | 20,000円 |
| ニッセイ 外国株式インデックス | 20,000円 | |
| eMAXIS バランス(8資産均等型) | 10,000円 | |
| 特定口座 | eMAXIS バランス(8資産均等型) | 10,000円 |
「合わせ技」で何が変わったのか
数字にすると、この組み替えの意味がはっきりします。
| 2017年1月 | 2017年2月〜 | |
|---|---|---|
| 積立総額 | 月5万円 | 月6万円 |
| 中身 | 8資産均等型のみ | 日本株式・外国株式・8資産均等型 |
| 株式の割合 | 約37.5% | 約79% |
※8資産均等型に含まれる株式は3資産(12.5%×3=37.5%)として計算した概算です。
債券とREITを中心とした守りの配分から、株式を軸にした攻めの配分へ。 商品を組み合わせるだけで、これほど性格の違うポートフォリオが作れるのだと実感しました。
理想のファンドを求めた「試行錯誤」の時代
本当は、これ1本持っておけば「全世界の株式」に広く分散できるような、シンプルで強力な株式ファンドが欲しかったのです。
しかし、2017年初頭の時点では、現在のように低コストで全世界の株式を網羅した理想的なインデックスファンドは、まだ市場に登場していませんでした。
そのため、「外国株式」と「日本株式」をそれぞれ個別のファンドで購入し、さらにバランス型も組み合わせるという、今振り返れば少し複雑な「合わせ技」で、自分の理想とする比率を再現するしかありませんでした。
結果として銘柄数は増えてしまいましたが、これは当時の環境下で、理想を追い求めた「試行錯誤の証」でもありました。
「選べる自由」を使い倒す楽しさ
数年前まで「窓口で勧められるまま」だった私が、今や制度の変更を把握し、複数のファンドを組み合わせて自分専用のポートフォリオを構築している。
SBI証券という「自由な広場」を手に入れたことで、私の投資生活は、より知的で、より戦略的なものへと進化していったのです。
自分でポートフォリオを組むときの3つの注意
このときの経験から、気をつけるべきだと感じたことです。
- 合計したときの中身を把握する — バランス型を組み合わせると、実際の株式比率が見えにくくなります。一度は計算してみることをおすすめします
- 本数が増えるほど管理は重くなる — 私は4本になりました。1本で同じ配分が作れるなら、そのほうが確実に楽です
- 商品が増えたら見直す — 私が困っていた「全世界株式1本」は、その後登場しました。環境が変われば、組み方も変えてよいのです
よくある質問
Q. 複数のファンドを組み合わせる意味はありますか?
自分の望む配分が1本で実現できないときには意味があります。私は株式の比重を高めたかったため、日本株式と外国株式を個別に買いました。ただし1本で同じ配分が作れるなら、そのほうがシンプルです。
Q. NISA口座と特定口座はどう使い分けましたか?
私は非課税枠を優先して使い、あふれた分を特定口座に回していました。同じ商品でも、利益が出たときに手元に残る額が変わるためです。
Q. 今なら1本のファンドで済みますか?
私が組んでいた頃と違い、現在は低コストで全世界の株式に分散できるファンドが選べるようになりました。当時のような合わせ技が必要かどうかは、その時々の商品ラインナップ次第です。
Q. ファンドの本数は多いほうがよいのですか?
そうとは限りません。私は4本になりましたが、中身が重複していないか、実際の配分がどうなっているかを把握する手間が増えました。本数ではなく、合計したときの中身で考えるべきだと思います。
まとめ:組み方は、その時代の商品で決まる
私が3本を組み合わせたのは、当時それしか方法がなかったからです。今の環境なら、まったく違う組み方をしていたでしょう。
大切なのは、自分がどんな配分を望んでいるかを先に決めること。その実現方法は、時代とともに変わっていきます。
次回予告|第28回 非課税期間が5年から20年へ|つみたてNISAでほったらかし投資は、その環境が実際に変わった話です。非課税期間20年の「つみたてNISA」の登場と、待ち望んでいた全世界株式ファンドとの出会いをお届けします。
※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の金融商品や金融機関を推奨するものではありません。記載の商品名・NISA制度の内容・積立設定はいずれも当時のもので、現在の制度や商品ラインナップとは異なります。文中の株式比率は説明のための概算です。投資信託は価格変動により元本を割り込む可能性があります。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。


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