投資の勉強に、お金はほとんどかかりませんでした。 雑誌1冊と、図書館のカードだけです。
郵便局の窓口で勧められるままに購入し、リーマンショック後の長い「塩漬け」を経験した私。その苦い日々は、私を「自分でお金を勉強する」というステージへと押し上げてくれました。
この記事の要点
- 女性向け生活情報誌をきっかけに、図書館で専門家の著書を読み漁った
- たどり着いた答えは「購入時手数料なし(ノーロード)」「信託報酬が安い」の2条件だけ
- 2014年12月、郵貯のネット窓口で月1万円ずつの積立を開始
- 初めて「ドルコスト平均法」を知り、暴落を怖がらずに済むようになった
- 窓口の1.65%という手数料が当たり前ではないと知った
雑誌と図書館で「お金の独学」をスタート
まず手に取ったのは、女性向けの生活情報誌でした。そこには、投資のプロや家計管理の達人によるお金の特集が組まれていました。
「誰かに勧められるのではなく、自分で選べるようになりたい」
その一心で、記事を書いている専門家の著書を調べ、図書館で片っ端から借りて読み込みました。
たどり着いた答えは、たった2つの条件
インデックス投資の提唱者たちの本を読み漁る中で、たどり着いた答えは極めてシンプルでした。それは、「購入時手数料なし(ノーロード)」で、「信託報酬(維持費)が圧倒的に安い」ファンドを選ぶこと。
窓口で買う商品は、なぜあんなに手数料が高いのか。その疑問の答えも、ここでようやく繋がりました。
何十冊読んでも、結論は2行でした。 難しい理論を理解する必要はなく、コストという一点を見ればよかったのです。
2014年、ついに「ドルコスト平均法」を実践
2014年12月、私は郵貯のネット窓口を通じて、月1万円ずつの積立投資を開始しました。選んだのは、勉強の末にたどり着いた以下の2本です。
- eMAXIS 先進国株式インデックス
- eMAXIS 新興国株式インデックス
この時、私は「ドルコスト平均法」という言葉を初めて知りました。
価格が高いときは少なく、安いときは多く買い付けることで、平均購入単価を抑える。この仕組みを知ったことで、暴落を恐れるのではなく「安く買えるチャンス」と捉える冷静さを手に入れました。
第23回では同じ「暴落=チャンス」という発想で失敗しました。違いは、まとめて一度に投じたか、毎月自動で分けたかです。考え方は同じでも、実行の仕方でこれほど結果が変わるのだと知りました。
当時の「低コスト投資信託」の旗手たち
2014年当時、私のような個人投資家の間で熱烈に支持されていたのが、三菱UFJ投信の「eMAXISシリーズ」と、ニッセイアセットマネジメントの「購入・換金手数料なしシリーズ」でした。
| シリーズ名 | 特徴と当時の状況 |
|---|---|
| eMAXISシリーズ | 2009年に登場。「ネット専用・低コスト」の先駆け。当時の先進国株式の信託報酬は年0.66%(税込)前後。窓口商品の半分以下のコストは衝撃的でした |
| ニッセイ「購入・換金手数料なし」 | 2013年から登場。後発ながらeMAXISを上回る低コストを打ち出し、先進国株式で年0.42%(税込)前後を実現。コスト競争の火付け役となりました |
※いずれも2014年当時の水準です。信託報酬は引き下げられることがあり、現在の数値とは異なります。
窓口の商品と、何が違ったのか
第23回で買った窓口の商品と並べると、差は一目瞭然でした。
| 窓口で買った商品 | ノーロードのインデックスファンド | |
|---|---|---|
| 購入時手数料 | 1.65% | 0円 |
| 信託報酬 | 年0.759% | 年0.42〜0.66%前後 |
※投資対象が異なるため単純な優劣の比較ではありません。コストの水準感としてご覧ください。
「窓口の1.65%の手数料」を当たり前だと思っていた私にとって、これらの「手数料0円」の衝撃は忘れられません。
「自分で選ぶ」ことの心地よさ
窓口に行けば、お茶を出され、丁寧に説明をしてもらえるかもしれません。しかし、私が選んだのは、パソコンの画面越しに自分の頭で考えた商品を「ポチる」という道でした。
- 情報の取捨選択:雑誌や本から得た知識で、自分に合う商品を見極める
- コストへの徹底したこだわり:わずか0.1%の差が、20年後に大きな差になることを知った
- 自立した投資:損も得も自分の判断。その責任感が、投資を「ギャンブル」から「確かな資産形成」へと変えてくれた
郵貯のネット窓口での再デビューは、私なりの「リベンジ」でした。
こうして低コスト投資の基本を身につけた私は、いよいよ、より選択肢の多い「ネット証券」という大海原へ漕ぎ出すことになります。
低コストのファンドを選ぶ3つの確認
私が本から学び、実際に使っている確認事項です。
- 購入時手数料が0円か — ノーロードかどうかは、目論見書や商品ページにはっきり書かれています。ここだけは妥協しませんでした
- 信託報酬を金額に置き換える — 年0.3%の差は、100万円あたり年3,000円。残高が変わらないと仮定しても、20年で6万円の差になります
- 同じ指数に連動する商品同士で比べる — 中身が違えばコストの高さにも理由があります。比べるのは「同じものを買う手段」です
よくある質問
Q. ノーロードとは何ですか?
購入時手数料が0円の投資信託のことです。私が窓口で買った商品は1.65%かかりましたが、ノーロードなら買った瞬間のマイナスがありません。
Q. ドルコスト平均法とはどのような方法ですか?
毎回決まった金額を買い付ける方法です。価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになるため、平均の購入単価が平準化されます。 私はこれを知って、暴落を恐れずに済むようになりました。
Q. 信託報酬の差はそれほど影響しますか?
信託報酬は保有している間ずっとかかります。年0.3%の差は、100万円あたり年3,000円。 金額に置き換えると、長く持つほど無視できない差になることが分かります。
Q. 投資の勉強はどこから始めればよいですか?
私は雑誌の特集からでした。そこで名前を知った専門家の著書を、図書館で借りて読みました。 お金をかけずに始められますし、複数の著者を読むことで偏りにも気づけます。
まとめ:コストという一点を見ればよかった
何十冊も本を読んで得た結論は、「手数料が0円で、信託報酬が安いものを選ぶ」というたった2行でした。
難しかったのは知識ではなく、人に任せるのをやめることだったのだと思います。 自分で選んだ2本の積立が、私の投資を作り直してくれました。
次回予告|第26回 NISAの始まりとネット証券|自動リバランスの8資産均等型は、いよいよネット証券への移行です。2014年に始まったNISAをきっかけにSBI証券で口座を開き、8資産均等型で再始動した話をお届けします。
※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の金融商品や運用会社を推奨するものではありません。記載の商品名・信託報酬・手数料はいずれも2014年当時のもので、現在の内容とは異なります。信託報酬は引き下げや商品の統合・繰上償還が行われることがあります。投資信託は価格変動により元本を割り込む可能性があります。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。


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