「積み立てるだけで税金が減る」という制度が、現役世代のほぼ全員に開かれました。
2017年(平成29年)、NISAと並んで私の資産形成の大きな柱となる制度が動き出しました。「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の対象者拡大です。
掛金が全額所得控除になるという驚異的な節税メリットに惹かれ、私はこの年の1月から、自分自身の「年金」を自ら作る道へと踏み出しました。
この記事の要点
- 2017年1月の法改正で、現役世代のほぼ全員がiDeCoに加入可能に
- 掛金の上限は職業や職場の年金制度によって異なる
- 私は上限を確認し、月1万2千円からスタート
- 2024年12月の改正を機に月2万円へ増額。手続きも大幅に簡素化された
- 運用商品は2017年・2018年・2022年の3度見直してきた
2017年:iDeCoが「ほぼ全員」に開かれた
それまでiDeCoは自営業者などが中心の制度でしたが、2017年1月の法改正により、公務員や専業主婦、会社員など、現役世代の「ほぼ全員」が加入できるようになりました。
ただし、この制度には「職業や職場の年金制度によって、積み立てられる上限額(拠出限度額)が異なる」という特徴があります。
属性で変わる掛金の上限額
| 属性 | 当時の月額上限 |
|---|---|
| 自営業者等(第1号被保険者) | 最大 68,000円 |
| 専業主婦等(第3号被保険者) | 23,000円 |
| 会社員(第2号被保険者) | 12,000円 〜 23,000円 |
| 公務員(第2号被保険者) | 12,000円 |
※2017年時点の内容です。iDeCoの拠出限度額はその後の制度改正で変更されています。
私は自分の上限額を確認し、SBI証券(SBIベネフィット・システム)を通じて、まずは毎月12,000円の積み立てから開始しました。
「全額所得控除」とは、どういうことか
iDeCoの最大の特徴は、掛金がまるごと課税対象の所得から差し引かれる点にあります。
たとえば月2万円、年間24万円を積み立てた場合、その24万円分が所得から引かれます。 所得税と住民税を合わせた税率が20%の方であれば、年間およそ4万8,000円の節税になる計算です。
※税率は所得によって異なります。上記は説明のための仮定であり、実際の効果はご自身の状況によって変わります。
運用でこれだけの利益を確実に出すのは簡単ではありません。「増やす」ではなく「引かれる額を減らす」という確実性が、iDeCoの強みだと感じています。
制度の進化① 掛け金上限額の「壁」の撤廃
私がiDeCoを続けてきたこの数年間、制度は「より多くの人が、より多く積み立てられるよう」アップデートを繰り返してきました。
特に大きな変化は、2024年12月の改正でした。企業年金(確定給付年金など)がある会社員のiDeCo上限額が、一律で月額20,000円(全体枠の範囲内)に引き上げ・拡充されたのです。
私はこの好機を逃さず、2024年12月から自身の掛け金も月額20,000円へと増額しました。所得控除による節税効果を最大限に高め、老後資金の形成をさらに加速させるための選択です。
制度の進化② 手続きの劇的な簡素化
かつては加入や増額のたびに「事業主の証明書」を会社に書いてもらう必要がありましたが、2024年12月からはこれが原則不要に。
職場に気兼ねすることなく、個人の判断でスマホやPCから手続きが完結できるようになったのは、非常に大きな進歩でした。
手続きの心理的なハードルが下がることは、制度の使いやすさそのものです。 私が増額を決断できたのも、この簡素化があったからでした。
運用銘柄の変遷:常に「最善」を求めて
制度の進化に合わせて、私のポートフォリオもブラッシュアップを繰り返しました。
| 時期 | 選んだ商品 | 変更の理由 |
|---|---|---|
| 2017年 | DCインデックスバランス(株式60) | 当時のSBI証券の限られた選択肢から選択 |
| 2018年 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 「セレクトプラン」の誕生で、より低コストな商品へ |
| 2022年 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | より大きな成長を狙い、既存資産も売却してスイッチング。積立先も一本化 |
5年で3回。 決して頻繁ではありませんが、選べる商品が増えたタイミングで必ず見直してきたことが分かります。
変化を味方につける投資家へ
iDeCoを通じて学んだのは、「一度始めたら放置ではなく、制度や商品の変化に合わせて最適化し続ける」ことの大切さです。
窓口で言われるがままに買っていた頃の私には、こんな複雑な制度を使いこなし、上限額の変化に合わせて掛け金をコントロールするなんて想像もできませんでした。
しかし、自分で学び、仕組みを整え、時代の波に乗る。その確かな手応えが、将来への大きな安心感に繋がっています。
iDeCoを続けるための3つの確認
長く付き合ってきて、要所だと感じたことです。
- 自分の上限額を知る — 職業や勤務先の年金制度で変わります。まずここを確認しないと、いくら積めるかも決められません
- 改正のたびに掛金を見直す — 私は2024年の改正で1万2千円から2万円へ増やしました。制度が変わったのに設定が昔のまま、というのが一番もったいないです
- 60歳まで引き出せないことを前提に組む — iDeCoは原則として途中で引き出せません。生活資金とは切り離した余裕資金で行うことが大前提です
よくある質問
Q. iDeCoの掛金上限はいくらですか?
職業や勤務先の年金制度によって異なります。私が始めた2017年時点では月1万2千円が上限で、2024年12月の改正後は2万円になりました。限度額は制度改正で変わるため、必ず最新の情報をご確認ください。
Q. 「全額所得控除」の効果はどれくらいですか?
年間24万円を積み立て、税率が合計20%の場合、およそ4万8,000円の節税になる計算です。ただし税率は所得によって異なります。 ご自身の状況で確認してみてください。
Q. iDeCoのお金は途中で引き出せますか?
原則として60歳まで引き出せません。 これはiDeCoの最大の注意点です。私は第20回で財形貯蓄の「引き出しにくさ」を長所として書きましたが、iDeCoはそれよりはるかに強い制約です。必ず余裕資金で行ってください。
Q. 運用する商品はあとから変更できますか?
できます。私は2017年・2018年・2022年と3度変更しました。保有している資産を別の商品に移すことを「スイッチング」と呼びます。手続きの詳細は運営管理機関にご確認ください。
まとめ:制度は変わる。設定も変えていい
iDeCoで学んだのは、制度が進化したら自分の設定も更新するという姿勢でした。上限が上がったら増やし、良い商品が出たら乗り換える。
放っておくのが正しいのは積立の「継続」であって、設定そのものではありません。 その見極めが、長く続けるうえで一番大事なことだと思っています。
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※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の金融商品や金融機関を推奨するものではありません。記載のiDeCoの拠出限度額・加入条件・手続きの内容はいずれも当時のもので、制度改正により変更されています。iDeCoの資産は原則として60歳まで引き出すことができません。運用商品は価格変動により元本を割り込む可能性があります。制度の最新情報は国民年金基金連合会および各運営管理機関の公式サイトでご確認のうえ、加入および投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。


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