利息を追うより、手数料を消すほうが確実です。
前回の「外貨預金」での苦い経験を経て、私の運用スタイルは「より確実に、かつ実益のあるもの」へとシフトしていきました。
そこで注目したのが、元本割れのリスクが極めて低い「個人向け国債」です。しかし、私が国債を購入した理由は、単なる利息狙いだけではありませんでした。
この記事の要点
- 2015年、地方銀行のATM時間外手数料が無料になる優遇目当てで変動10年を10万円分購入
- 2021年、三菱UFJ銀行でも保有を増やし、Pontaポイントが貯まる仕組みを構築
- 「運用商品残高50万円以上」で月50ポイント。他の条件と合わせて毎月65ポイント
- 狙ったのは利息ではなく、手数料という確実なマイナスを消すこと
- 攻めの運用をするための、安全な土台にもなった
2015年、地方銀行の「時間外手数料」を無料に
2015年1月。当時、家賃の引き落としなどで利用していた地方銀行がありました。その銀行には「個人向け国債を保有していると、ATMの時間外引き出し手数料が無料になる」という優遇制度があったのです。
私はすぐに、変動10年の個人向け国債を10万円分購入しました。
当時の金利は決して高くはありませんでしたが、自分のお金を引き出すたびにかかる手数料を「一生払わなくて済む」というリターンは、どんな利息よりも確実で魅力的でした。
仮に時間外手数料が1回110円だとして、月に2回使えば年間2,640円。10万円の国債に対して年2.6%相当の価値になります。当時の金利では到底届かない水準です。
手数料は「確実なマイナス」です。 これを消すことは、同じ額の利息を確実に受け取るのと同じ意味を持ちます。
2021年、三菱UFJ銀行で「守り」と「ポイ活」を両立
さらに2021年7月、メインバンクである三菱UFJ銀行でも国債の保有を増やしました。三菱UFJ銀行の「メインバンク プラス」というサービスでは、条件を満たすことで毎月Pontaポイントが貯まるからです。
| 満たした条件 | 毎月のポイント |
|---|---|
| 運用商品残高(国債を含む)が50万円以上 | 50ポイント |
| 三菱UFJダイレクトへのログイン | 5ポイント |
| 公共料金等の口座振替 | 10ポイント |
| 合計 | 65ポイント |
単純計算すると年間780ポイント。50万円に対して年0.16%相当です。しかも相場に左右されず、毎月確実に入ってきます。
これに加え、提携コンビニATMの手数料が無料になるなどの特典も受けられ、利便性は一気に向上しました。
やっていることは第15回の家賃補助とまったく同じです。制度の「境界」を確認し、そのすぐ上を満たしにいく。 対象が家賃から金融資産に変わっただけでした。
リスクを抑えて「確実な実益」を狙う
外貨預金で為替の動きに一喜一憂していた頃とは違い、国債は「国が元本を保証してくれる」という圧倒的な安心感があります。
| 狙い | 内容 |
|---|---|
| 銀行の優遇制度を使い倒す | 手数料という「確実なマイナス」を消し去る |
| ポイ活の自動化 | 国債を50万円以上持つことで、高還元な利息をもらうのと同等のポイントを安定して得る |
| 守りの資産を固める | 投資信託など、攻めの運用をするための「安全な土台」を確保する |
この目的を同時に達成できたことで、私の家計管理の基盤はより強固なものになりました。
仕組みを組み合わせて、賢く生きる
「どこに、いくら置くか」を少し工夫するだけで、日々の生活から手数料が消え、ポイントが舞い込んでくるようになります。
自分に必要な銀行サービスを把握し、その条件を満たすために金融商品をパズルのように組み合わせる。
これは、かつて財形貯蓄などで培った私の「仕組み化」の技術が、より現代的でスマートに進化した形でもありました。
確かな足場を固めたことで、私はいよいよ、さらなる「攻め」の運用である投資信託の世界へと、自信を持って足を踏み出す準備が整ったのです。
銀行の優遇制度を使い倒す3ステップ
私がやってきたのは、次の3つだけです。
- 今払っている手数料を数える — 時間外手数料、振込手数料、他行宛の送金。年間いくら払っているかを知らないと、消す価値もわかりません
- 優遇の条件を読む — 「残高いくら以上」「〇〇を保有」といった条件が必ず書かれています。ここが出発点です
- 条件を満たす最小限で組む — 私は50万円の条件に対して、必要な分だけ持ちました。過剰に持つ必要はありません
よくある質問
Q. 個人向け国債とはどのようなものですか?
国が個人向けに発行する債券で、変動金利型と固定金利型があります。私が購入したのは変動10年です。発行条件や最低金利、購入単位は時期や種類によって異なるため、財務省や取扱金融機関の案内をご確認ください。
Q. 国債を持つと本当に銀行の手数料が無料になるのですか?
銀行によります。 私が利用していた地方銀行と三菱UFJ銀行では、保有が優遇の条件に含まれていました。すべての銀行に同じ制度があるわけではないので、お取引先の優遇プログラムをご確認ください。
Q. 途中で解約することはできますか?
個人向け国債には中途換金の仕組みがありますが、換金の可能な時期や差し引かれる金額に条件があります。 購入前に必ず取扱金融機関の説明をご確認ください。優遇の条件から外れる点にも注意が必要です。
Q. ポイントはどのくらい貯まりましたか?
私の場合は毎月65ポイントでした。決して大きな額ではありませんが、相場に関係なく毎月確実に入ってくる点に価値があります。条件やポイント数はサービス内容の変更によって変わります。
まとめ:確実なマイナスを消すことも、立派な運用
利息を1%上げるのは大変ですが、毎月払っている手数料をゼロにするのは今日からできます。
外貨預金で相場を読もうとして失敗した私が次に選んだのは、読まなくてよい確実な実益でした。この足場があったからこそ、次の一歩を踏み出せたのだと思います。
次回予告|次回からは新カテゴリー「投資信託いろいろ」です。初回は、投資デビューのわずか2週間後にリーマンショックに直撃された話をお届けします。
※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の金融商品や金融機関を推奨するものではありません。記載の優遇制度・ポイント付与条件・手数料はいずれも当時のもので、現在の内容とは異なる場合があります。個人向け国債の発行条件、中途換金の取り扱いについては財務省および取扱金融機関の最新情報をご確認ください。文中の手数料の試算は説明のための仮定であり、実際の金額は金融機関により異なります。


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