難しい投資を始める前に、確認すべき場所があります。自分の職場です。
働き始めてすぐに、職場の頼りになる女性の先輩方から、ある「お金の鉄則」を教わりました。
「社内預金は金利がいいから、絶対にやったほうがいいわよ」
この一言が、私の資産形成をさらに一段上のステージへと押し上げてくれることになりました。
この記事の要点
- 1990年代、社内預金の金利は銀行より有利な条件が維持されていた
- 給料天引きで月5万円、ボーナス時にも5万円を回した
- 効いたのは「天引きの強制力」と「高い金利」の二重効果
- 気づかせてくれたのは職場の先輩。信頼できる情報源を持つことの価値を学んだ
- 社内預金がなくても、財形貯蓄や企業型DCなど足元の制度は確認する価値がある
職場の文化が教えてくれた「一番お得な場所」
当時は1990年代。かつての高金利時代が終わりを告げ、銀行の金利が徐々に下がり始めていた時期でした。
しかし、社内預金の金利は銀行よりも一足遅れて設定が変更されることが多く、市場の金利よりもかなり有利な条件が維持されていました。
先輩方の「絶対にお得」という言葉を信じ、私は勧められるままに「給料天引き」で月5万円、さらにボーナス時にも5万円を社内預金へ回すことに決めました。
「強制力」と「高金利」のダブル効果
社内預金を始めて実感したのは、その圧倒的な「貯まるスピード」です。
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 給料天引きの仕組み | 自分の手元に給料が入る前に差し引かれるため、最初から「なかったもの」として生活できる。意思の力を使わずに済むのが最大のメリット |
| 銀行を上回る金利 | 普通に銀行へ預けるよりも高い利息がつく。ただ預け先を変えるだけで、お金が育つ速度が変わる |
当時は、銀行の定期預金よりもはるかに有利な金利で運用できたため、気づかないうちに私の金融資産は着実に、そして力強く育っていきました。
天引きという発想は、第2回で書いた昭和の学校貯金とまったく同じ構造です。「意志の力に頼らず、仕組みに乗る」という原則を、私は職場でもう一度実践していたことになります。
信頼できる「情報源」を持つ大切さ
この時、私が学んだのは「情報の価値」です。
もし一人で悩んでいたら、職場の制度の魅力に気づかないまま、ずっと銀行の普通預金に置いていたかもしれません。
長年その職場で働き、お金の酸いも甘いも知っている先輩方のアドバイスは、どんなマネー誌よりもリアルで信頼できるものでした。「身近な成功者の真似をする」ことは、資産運用の近道なのだと実感した経験です。
初心者こそ「足元の制度」を見直してほしい
現代では、社内預金制度を持つ企業は減っているかもしれません。しかし、代わりに職場独自の福利厚生は必ず存在します。
| 制度 | 特徴 |
|---|---|
| 財形貯蓄 | 給与天引きで積み立てる制度。目的別に種類が分かれている |
| 企業型DC(確定拠出年金) | 老後資金を積み立てる制度。会社が掛金を拠出する形が一般的 |
| 持株会 | 自社株を毎月買い付ける制度。奨励金が出る企業もある |
投資信託や株など、難しい投資に手を出す前に、まずは自分の足元にある「天引きシステム」や「高条件の制度」がないか確認すること。
「自分の意思を介在させずに、自動的に、有利な場所でお金を育てる」
この社内預金で学んだ鉄則は、今の時代のNISAやiDeCoにも通じる、資産形成の王道です。
職場の制度を確認する3ステップ
制度があっても、案内されなければ気づけません。私も先輩に教わって初めて知りました。
- 就業規則や福利厚生の資料を一度読む — 入社時に配られたきり読んでいない書類に、たいてい書かれています
- 総務や人事に直接聞く — 「利用できる貯蓄・積立の制度はありますか」と尋ねるだけで十分です
- 先輩に何を使っているか聞く — 私の場合はこれが最短でした。制度の存在より、実際に使っている人の話のほうが早いことがあります
よくある質問
Q. 社内預金とはどのような制度ですか?
勤務先が従業員の給与から天引きで預金を預かる制度です。私が利用していた1990年代は、銀行より有利な金利が設定されていることが一般的でした。
Q. 社内預金は今もあるのですか?
制度を持つ企業は以前より減っていると聞きます。ただし財形貯蓄や企業型DCなど、天引きで積み立てる仕組みは形を変えて残っています。 まずは勤務先に何があるかを確認してみてください。
Q. 職場の制度なら、何でも利用してよいのでしょうか?
制度ごとに条件も性質も異なるため、内容の確認は必要です。たとえば自社株を買う制度は、給与も資産も同じ勤務先に集中するという側面があります。何がどう有利なのかを理解したうえで選ぶことをおすすめします。
Q. なぜ天引きだと貯まるのですか?
手元に入る前に差し引かれるため、貯めるかどうかを毎回判断せずに済むからです。意思の強さに頼る方法は、どうしても波が出ます。
まとめ:自動的に、有利な場所で育てる
私の資産形成が加速したのは、優れた投資判断をしたからではありません。先輩に教わった制度に乗っただけです。
自分の意思を介在させずに、自動的に、有利な場所でお金を育てる。もしあなたの職場にそんな制度があるなら、まず内容を確認してみることが「安心な資産形成」の第一歩になると確信しています。
次回予告|次回は、入ってきたお金に上限を設ける話です。普通預金を常に12万円に保つ「スイングサービス」との出会いについてお届けします。
※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の制度や金融商品を推奨するものではありません。制度の内容・条件・金利は勤務先や時期によって異なります。利用にあたっては、必ずご自身で条件をご確認ください。


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