お金は、置いておく場所を変えるだけで結果が変わります。
社会人として数ヶ月が経ち、待ちに待った初めての「ボーナス」。自分で働いた成果がまとまった金額として振り込まれる喜びは格別でした。当時の私が、そのまとまったお金をどうしたかというと……。
迷わず向かったのは、銀行の窓口でした。
この記事の要点
- 30年ほど前、ボーナス時期の銀行は「定期預金キャンペーン」で活気づいていた
- 実家通勤で余剰が出ていたため、普通預金の残高とボーナスを合算して預け入れた
- 50万円以上で選べるノベルティのランクが上がる。これが貯蓄の動機になった
- やっていたのは「情報を集める」「タイミングを計る」「まとまった資金を作る」の3つ
- これは今の投資にも通じる資産運用の基本動作そのものだった
銀行が活気づく「夏の陣・冬の陣」
今から30年ほど前、ボーナス時期になると銀行は「定期預金キャンペーン」という一大イベントで活気づいていました。
現代の超低金利からは想像もつきませんが、当時はボーナス時期に合わせて「優遇金利」が設定され、普段よりもお得な利息がつくのが当たり前でした。
私は実家から通勤していたこともあり、毎月の給与から残った余剰分が少しずつ普通預金に貯まっていました。
その「コツコツ貯めた分」と「ボーナス」を合算し、数十万円という単位で定期預金に預け入れるのが、私にとっての「半年に一度のビッグイベント」になったのです。
「50万円」の壁と、魅力的なおまけ
当時の銀行窓口の楽しみといえば、なんといってもノベルティ(おまけ)でした。各銀行がこぞって人気キャラクターを採用し、貯金箱やタオル、ぬいぐるみ、食器など、さまざまなグッズを用意していました。
特に印象に残っているのが、「預け入れ金額によるランクアップ」です。
「50万円以上預け入れの方は、こちらのおまけも選べます」
そんな一言に背中を押され、お目当てのキャラクターグッズを手に入れるために「次は絶対50万円貯めて預けるぞ!」と、貯蓄へのモチベーションを高めていました。
金利よりも、おまけのほうが私を動かしていました。 動機が何であれ、結果として資金は積み上がっていったのですから、仕組みとしてはよくできていたのだと思います。
「ただ置く」から「お得な場所へ動かす」へ
今思えば、これが私にとっての「資産運用の初期体験」でした。
| 当時やっていたこと | 内容 | 今でいうと |
|---|---|---|
| 情報を集める | どの銀行が一番金利が良いか、おまけが魅力的かを比較する | 商品や手数料を比較する |
| タイミングを計る | キャンペーン期間に合わせて、お金を動かす | 見直しの時期を決めておく |
| まとまった資金を作る | 優遇を受けるために、日々の支出を抑えて余剰金を作る | 入金力を高める |
これらはすべて、現在の投資信託や株の売買にも通じる「資産運用の基本動作」です。
普通預金にそのまま置いておくのではなく、自ら動いて「より条件の良い場所」へ移す。その小さな行動で、手元に残る利益(利息やおまけ)が変わるという成功体験を、私は銀行の窓口で教わりました。
「動かす」という発想を、今に活かすには
キャンペーンもノベルティも減りましたが、当時の動き方はそのまま使えます。
- 置きっぱなしの口座を把握する — まず「動かしていないお金」がどこにいくらあるかを確認します。ここが出発点でした
- 比べてから決める習慣を持つ — 当時の私は複数の銀行を見比べていました。条件を比べずに預けるのが、いちばんもったいない使い方です
- 目標金額を先に決める — 「次は50万円」という基準があったから貯まりました。金額の根拠は何でも構いません
お金と向き合う「楽しみ」を育てる
今の時代、定期預金で得られる利息はごくわずかですし、窓口で豪華なおまけをもらう機会も減りました。
しかし、「お金を育てる過程を楽しむ」という姿勢は、いつの時代も変わりません。
「次のボーナスまでにいくら貯める」という目標を持ち、それを達成したご褒美としてキャラクターグッズを受け取っていたあの頃。あの時の純粋なワクワク感が、今の私の「粘り強い資産形成」の根底に流れている気がします。
よくある質問
Q. 定期預金キャンペーンとはどのようなものでしたか?
ボーナス時期などに合わせて、銀行が通常より高い「優遇金利」を設定する期間限定の取り組みです。30年ほど前は、これに加えて預け入れ金額に応じたノベルティが用意されていることも一般的でした。
Q. ボーナスは貯金と使うのと、どちらに回すべきですか?
私はコツコツ貯めた普通預金と合算して定期預金に預けました。ただ、全額を貯蓄に回す必要はないとも思います。目標額を先に決めて、残りは使うと決めておくほうが長続きします。
Q. ノベルティ目当てで預けるのは、おかしなことでしょうか?
私はそれで50万円を貯めました。続く動機であれば、何であってもよいというのが実感です。金利の数字だけでは人はなかなか動きません。
Q. 今も定期預金にお金を置く意味はありますか?
金利の水準は時期によって変わるため、そのときの条件を確認してご判断ください。すぐ使う予定のないお金を、置きっぱなしにせず条件を比べて置き場所を決めるという考え方自体は、今も有効だと思っています。
まとめ:置き場所を選ぶことも、立派な運用
普通預金にそのまま置くのか、条件を調べて動かすのか。その差が、手元に残るものを変えていきます。
投資を始める前から、資産運用は始まっていました。 30年前の銀行の窓口で私が学んだのは、そういうことだったのだと思います。
次回予告|次回は、職場の先輩に教わったもう一段お得な預け先の話です。給料天引きと有利な金利を兼ね備えた「社内預金」についてお届けします。
※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の金融機関や金融商品を推奨するものではありません。金利やキャンペーンの内容は時期により異なります。


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