2年かけて貯めたお金だからこそ、使う瞬間に立ち止まれました。
一人暮らしを始める少し前のこと、私にはどうしても手に入れたいものがありました。それは、自分専用のミシンです。
もともと実家には、姉が小学校高学年の家庭科でミシンを使い始める頃に、親が買ってくれた電子ミシンがありました。もちろんそれを使うこともできましたが、手芸が大好きだった私は、自分のライフスタイルに合わせて、一生大切にできる「自分だけの相棒」が欲しかったのです。
この記事の要点
- ミシンメーカーの積立制度を利用し、毎月1万円を2年間(24回)積み立てた
- 目標は刺繍機能付きの高性能コンピューターミシン
- しかし満期の日、「本当に刺繍機能が必要か」と自分に問い直した
- 選んだのは高級機1台ではなく、基本機能の電子ミシン2台。1台は姉への結婚祝いに
- そのミシンは25年以上経った今も現役
毎月1万円、2年間の「ミシン積立」
そこで私が利用したのは、あるミシンメーカーが実施していた積立制度でした。
「毎月1万円を2年間積み立てることで、憧れの高性能な刺繍機能付きコンピューターミシンが購入できる」というものです。
自分専用のミシンが欲しくて、コツコツと24回。ついに満期を迎え、いよいよミシンを手にする時がやってきました。
満期の日に、自分に問いかけたこと
しかし、いざ購入を目の前にした時、私は改めて自分に問いかけました。
「私は本当に、高性能な『刺繍機能』が必要なのだろうか?」
この問いが立てられたのは、2年間かけて貯めたお金だったからだと思います。 すぐ買えるお金であれば、勢いのまま憧れの1台を選んでいたはずです。
華やかさよりも「本質」と「分かち合い」
最新式の刺繍機能は確かに魅力的でしたが、私が求めていたのは、直線縫いやジグザグ縫い、ボタンホールといった「基本」がしっかりできて、長く愛用できる丈夫な道具でした。
検討し直した結果、私は1台の高級機を買うのではなく、基本機能が充実した電子ミシンを「2台」購入することに決めました。
| 当初の目標 | 実際に選んだもの | |
|---|---|---|
| 台数 | 高性能機を1台 | 基本機能の電子ミシンを2台 |
| 機能 | 刺繍を含む多機能 | 直線縫い・ジグザグ縫い・ボタンホール |
| 使う人 | 自分だけ | 自分と、結婚したばかりの姉 |
1台は自分用、そしてもう1台は、当時結婚したばかりの姉へのお祝いとして贈るためです。
目先の「多機能」という誘惑に負けず、自分にとって何が本当の価値かを考え抜いた、私にとって初めての大きな「決断」でした。
第5回で書いた1000円の福袋では、「お得」という言葉に負けました。あれから十数年。同じ誘惑を、今度は振り切ることができたのです。
25年経っても現役|修理して使い続ける喜び
その時に購入したミシンは、25年以上経った今でも私の相棒として現役で活躍しています。途中、何度か修理に出しながらも、大切に使い続けてきました。
- 自分の洋服を縫い、日々のバッグや小物を作る
- クッションカバーや枕カバーなど、生活に必要な布製品を仕立てる
- 子供が生まれた時は、保育園のバッグや小学校の入学グッズを夜なべして作る
このミシンは、単に「お金を節約するための道具」ではありませんでした。私の人生の節目節目に寄り添い、家族の思い出を形にしてくれる、かけがえのない財産となったのです。
もし刺繍機能付きの高級機を選んでいたら、修理をしてまで25年使い続けていたでしょうか。基本機能だけの機種だったからこそ、直して使うという選択が自然にできたのかもしれません。
「積立」がもたらした一生モノの資産
「ミシン積立」という経験が、私に教えてくれたことはたくさんあります。
| 学んだこと | 内容 |
|---|---|
| 目的を持って貯める楽しさ | 2年間のワクワク感は、買い物の満足度を何倍にも高めてくれた |
| 本質を見極める目 | 「流行り」や「多機能」に惑わされず、自分に必要なものを選ぶ大切さ |
| 分かち合う喜び | 計画的に準備したからこそ、大切な姉への贈り物も実現できた |
投資の世界でも同じです。周囲の華やかな流行に目を奪われることがあっても、自分にとって本当に必要な「基本」を大切にし、長く持ち続ける。
あの時、カタログを広げながら悩み抜いて選んだシンプルな電子ミシンは、今でも私の暮らしを豊かにし続けてくれています。
目的を決めて貯めるときの3つのコツ
24回の積立を続けられた理由を振り返ると、次の3つでした。
- 買うものを具体的に決める — 「いつか何かのために」では続きません。カタログの1台が目の前にあったから、24ヶ月やり切れました
- 満期の日に、もう一度考え直す — 貯め始めた時と、貯め終わった時では見え方が変わります。目標を決めた自分に縛られる必要はありません
- 買った後に何年使うかを想像する — 2年貯めて25年使うなら、実質的な費用は驚くほど小さくなります
よくある質問
Q. メーカーの積立制度とはどのようなものですか?
毎月一定額を積み立て、満期になるとその金額で対象商品を購入できる仕組みです。私が利用したのは月1万円×24回のもので、目標の機種が明確だったため続けやすい制度でした。
Q. 多機能な製品と基本機能だけの製品、どちらを選ぶべきですか?
私は基本機能を選び、25年使い続けています。判断の目安は「その機能を月に何回使うか」です。使う頻度が想像できない機能は、たいてい使いません。
Q. 目的を決めて貯めると続きますか?
続きます。私の場合は「あのミシン」という具体的な対象があったことが大きかったです。金額の目標だけより、モノや体験の目標のほうが24ヶ月耐えられます。
Q. 長く使い続けるために大切なことは何ですか?
修理して使えるかどうかだと思います。私のミシンも何度か修理に出しました。買う前に「壊れたときに直せるか」を確認しておくと、結果的に長く使えます。
まとめ:2年貯めて、25年使う
2年間かけて貯めたからこそ、満期の日に立ち止まって考え直すことができました。そして選んだ1台は、25年たった今も動いています。
急いで手に入れたものより、待って選んだもののほうが長く残ります。 ミシン積立が私に教えてくれたのは、そういうことでした。
次回予告|次回は、その積立で挫折した話です。意気込んで始めた月5万円をなぜ3万円に減らしたのか、そしてそれが正解だった理由をお届けします
※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の商品や金融商品を推奨するものではありません。
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