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第40回 課税の先送り戦略|評価額2倍のファンド7本を売らない理由

第40回 特定口座 家計管理・口座整理

整理することが、いつも正解とは限りません。

新NISAの枠を最速で埋める仕組みを整えた今、私の特定口座には長年の積み立ての結晶である「7本のインデックスファンド」が鎮座しています。

これらをどう扱うか。熟考の末、私は「何もしない」という最強の戦略を採ることにしました。

この記事の要点

  • 特定口座には7本のインデックスファンドが残っている
  • どれも購入時から評価額が2倍以上に成長した
  • かつては1本へ集約しようとしていたが、その動きを止めた
  • 理由は売却時の課税。2割が引かれた資金で買い直すより、そのまま運用を続けるほうが有利
  • 新NISAの買付資金は別に確保できているため、急いで動かす必要がない

1. 成長した「かつての主役」たち

現在、SBI証券の特定口座で保有しているのは以下のラインナップです。それぞれが、この連載のどこかで登場した銘柄でもあります。

保有している銘柄積み立てを始めた時期
eMAXIS 先進国株式インデックス第25回 雑誌と図書館が先生|ノーロードで始めた積立インデックス投資(2014年・ゆうちょ)
eMAXIS 新興国株式インデックス第25回 雑誌と図書館が先生|ノーロードで始めた積立インデックス投資(2014年・ゆうちょ)
ニッセイ 日経平均インデックス第27回 ポートフォリオもハンドメイドで|全世界株式がなかった時代(2017年)
ニッセイ 外国株式インデックス第27回 ポートフォリオもハンドメイドで|全世界株式がなかった時代(2017年)
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)第26回 NISAの始まりとネット証券|自動リバランスの8資産均等型(2015年)
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)第28回 非課税期間が5年から20年へ|つみたてNISAでほったらかし投資(2018年)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)第32回 投資者保護基金を意識しネット証券をもう一つ|オルカン爆誕(2019年)

驚くべきことに、どのファンドも購入時より評価額が2倍以上にまで成長しています。

かつてはおっかなびっくり積み立てていた小銭が、今では無視できない大きな資産の塊となっています。

2. 「オルカン」系は迷わずホールド

「除く日本」と「オール・カントリー」の2本については、現在新NISAで主軸としている戦略と完全に一致しています。

これらはポートフォリオの核として、今後も一切手を触れずにホールドし続けます。

3. 「お引越し」をあえて止めた合理的理由

第36回 5銘柄を売ってオルカンへ|投信お引越しと新NISAへの布石では他の5銘柄を売却してオルカンへ「お引越し」させていましたが、今はその動きを止めています。そこには明確な理由が2つあります。

① 税金による「資産の目減り」を避ける

評価額が2倍以上になった今、売却すれば利益に対して約20%の税金が発生します。

売って買い直すそのまま持ち続ける
利益100万円の扱い約20万円が課税される課税されない
運用に回る金額80万円100万円

この「目減りした資金」でオルカンを買い直すよりも、課税を先送りして100万円のまま運用を続ける方が、複利の恩恵を大きく受けられると判断しました。

評価額が小さかった頃は、この差もわずかでした。 2倍以上に育った今だからこそ、動かさないことの価値が大きくなっています。

② 税金を払う回数を、わざわざ増やさない

新NISAの買い付け資金は、これまでの銀行預金(現金)から十分に確保できています。

もし特定口座を売って特定口座で買い直せば、今回の売却時と、将来オルカンを取り崩す時の、合計2回にわたって税金を払うことになります。

一度でよいものを二度払う必要はありません。しかも先に払うほど、その分だけ複利が働く元本が減ります。

※同じ利益に二重に課税されるという意味ではなく、課税されるタイミングが2回に分かれるという意味です。早く納めるほど手元の運用資金が減る、という点が要点になります。

4. 必要な時に、必要な分だけ

結論として、特定口座の7本は「当面はそのままホールド」することにしました。

将来、本当にお金が必要になった時に、その時の税制や資産状況を見ながら、必要な分だけを切り出していく。 それが最も効率的で、手間もかからない方法だと気づいたのです。

かつては「銘柄を整理しなきゃ」と焦る気持ちもありましたが、今は違います。

多様なインデックスファンドが並ぶマイページは、私の20年にわたる投資の歴史そのもの。 これからは「静かなる守護神」として、私の資産を支え続けてもらうことにしました。

「売らない」を選ぶときの3つの確認

第36回 5銘柄を売ってオルカンへ|投信お引越しと新NISAへの布石では売り、今回は売らない。判断を分けたのは次の3点でした。

  1. 含み益の大きさを確認する — 利益が小さいうちは税金も小さく、乗り換えの負担は軽くなります。育ってからでは、動かすコストが跳ね上がります
  2. 買い付け資金が別にあるか見る — 別の資金で新NISAを埋められるなら、わざわざ売る必要はありません。売却は「資金が足りないとき」の手段です
  3. 持ち続けて困るかどうかを考える — 第31回はコストが高くて困るから売りました。今回の7本は持っていても損をするわけではありません

よくある質問

Q. 含み益のある投資信託は、売って乗り換えるべきですか?

利益が大きいほど、乗り換えのコスト(税金)も大きくなります。 私は評価額が2倍以上になった時点で、乗り換えの手を止めました。同じ判断でも、含み益の大きさによって答えが変わります。

Q. 「課税の先送り」にはどんな効果がありますか?

売らなければ、利益に税金がかからないまま運用が続きます。税金として引かれるはずだった分も、そのまま働き続けるということです。期間が長いほど、この差は開いていきます。

Q. 銘柄が7本のままで、管理は大変ではありませんか?

積み立てていないので、手間はほとんどありません。 増やす対象は新NISAのオルカン1本に絞っているため、特定口座の7本は「置いてあるだけ」の状態です。

Q. いつ売ればよいのでしょうか?

私は「本当にお金が必要になったとき」と決めています。時期を決め打ちせず、その時の税制や資産の状況を見て、必要な分だけを切り出す方針です。

まとめ:動かさないことも、ひとつの判断

第30回 投資信託の移管手数料6,480円|証券口座をひとつに集約では6,480円払って集約し、    第31回 信託報酬0.55%から0.15%へ|低コスト進化版シリーズにでは税金を払ってでも乗り換え、  第39回 地方銀行を全解約|手数料880円で管理をシンプルにでは880円払って口座を閉じました。

今回は、あえて何もしません。 動かすことが正解だった場面と、動かさないことが正解の場面。その違いを見分けられるようになったことが、20年で得たいちばんの収穫かもしれません。

次回予告|第41回 今までの貯金を新NISAへ|非課税枠1,800万円を満額には、新NISAの生涯投資枠を満額まで埋める話です。残り3年分の1,080万円を、4つの預貯金からどう捻出するのかをお届けします。

※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。文中の税率・税金の扱いは記事執筆時点の一般的な理解に基づくもので、税制は改正されることがあります。実際の課税関係はご自身の状況によって異なるため、必要に応じて税務の専門家にご確認ください。投資信託は価格変動により元本を割り込む可能性があります。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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