残っているのは、お金の問題ではなく段取りの問題でした。
2026年(令和8年)、私の資産形成はついに「仕上げ」のフェーズに入りました。1,800万円の非課税枠を5年で埋めるという計画の、残り3年分です。
これまで大切に守ってきた「貯金」という名の予備兵たちを、順番に戦線へ投入する段取りを固めました。投資先はSBI証券・楽天証券ともに、一点の迷いもなく「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
この記事の要点
- 残り3年(2026〜2028年)で必要な新NISA資金は1,080万円
- 原資は4つの預貯金、合わせて1,120万円。給与からではなく蓄えから捻出する
- 楽天証券分(月15万円)は楽天銀行の資金だけでまわす別勘定。おまかせ振込を月10万円から15万円へ増額
- 待機資金も遊ばせず、目的別口座+1年定期と月30万円の定額自動振込で管理
- 原資の余裕は40万円(必要額の約3.7%)。ただし生活防衛資金500万円は別枠で確保済み
1. 残り3年で必要なのは、1,080万円
まず、あとどれだけ必要なのかをはっきりさせました。
| 金額 | |
|---|---|
| 新NISAの生涯投資枠 | 1,800万円 |
| 2024〜2025年に投入済み(年360万円×2年) | 720万円 |
| 残り3年分(2026〜2028年) | 1,080万円 |
第37回 新NISA1,800万円を最速5年で|全自動で月30万円積立で決めた「年360万円×5年」という設計どおりに進んでいるため、逆算はそのまま割り算で済みます。
2. 原資は4つの預貯金、合わせて1,120万円
この1,080万円を、給与のやりくりではなくこれまでに蓄えてきた預貯金から捻出します。動員するのは以下の精鋭たちです。
| 原資 | 金額 | どこから来たお金か |
|---|---|---|
| 住信SBIネット銀行(普通預金) | 250万円 | 積立ルートの待機資金 |
| SBIハイブリッド預金 | 190万円 | 第39回の地方銀行解約分 |
| 財形年金(2025年12月解約) | 230万円 | 第20回で8年積み立てた分 |
| ゆうちょ銀行 | 450万円 | 長年の分散預金 |
| 合計 | 1,120万円 |
住信SBIネット銀行は、2026年8月に「ドコモSMBTネット銀行」へ名称変更されています。
4つのうち2つは、この連載で「守り」として積み上げたお金です。 地方銀行を解約して浮いた190万円と、職場を通さないと引き出せない面倒くささに守られてきた財形年金の230万円。どちらも、当時は投資に回すつもりのなかった資金でした。
3. 1,120万円は「十分すぎる」のか
ここは、書きながら自分でも計算し直しました。
| 金額 | |
|---|---|
| 残り3年で必要な新NISA資金 | 1,080万円 |
| 用意した預貯金 | 1,120万円 |
| 差 | 40万円 |
余裕は40万円。必要額に対して約3.7%です。「十分すぎるほど」というより、「ほぼぴったり」が正確なところでした。
しかも楽天証券の特定口座(月15万円=年180万円、3年で540万円)は、この1,120万円には含まれていません。こちらは楽天銀行の資金だけでまわす、独立した別勘定です。上の表の1,120万円は、すべて新NISA専用の原資になります。
つまりこの計画は、用意した1,120万円を使い切る前提の設計になっています。ただし生活防衛資金は別に500万円を確保してあるので、余裕が薄いこと自体はリスクになりません。詳しくは後述します。
4. 楽天証券:おまかせ振込を月15万円へ
楽天証券での積立(月15万円)についても、資金移動を完全に仕組み化しました。原資は楽天銀行の資金のみで、新NISA用の1,120万円とは一切混ざりません。
| 順番 | 仕組み | 金額 |
|---|---|---|
| 1 | 楽天銀行の「おまかせ振込予約」で三菱UFJ銀行へ自動振込 | 月15万円 |
| 2 | 楽天カード決済で投信積立(引き落としは三菱UFJ銀行) | 月10万円 |
| 3 | 楽天キャッシュへのチャージも楽天カード経由 | 月5万円 |
第38回 クレカ積立が月10万円に|SBIと楽天で計45万円の自動化の時点では、おまかせ振込は月10万円でした。5万円増えたのは、楽天キャッシュのチャージ元を楽天銀行から楽天カードに変えたからです。カード経由に寄せたことで、15万円すべてがポイント対象の経路を通ることになりました。
楽天銀行
└─ おまかせ振込予約 15万円 ─→ 三菱UFJ銀行(給与口座) └─ 楽天カード ─→ 楽天証券 15万円 (カード10万+キャッシュ5万)
楽天経済圏のポイントをフルで取得しつつ、家計の出口(引き落とし)は給与口座の三菱UFJ銀行に一本化する。第33回 月14万2千円の自動積立|仕組みを作ってほったらかしの全体像で立てた「出口は一つ」という原則を、ここでも崩していません。
5. 待機資金も「一歩も無駄にしない」
投入を待つあいだの資金も、遊ばせてはいません。
財形年金の230万円は、住信SBIネット銀行の「目的別口座」に隔離し、さらに2026年1月の「冬の円定期預金優遇金利キャンペーン」を使って1年定期に預け入れました。使う時期が決まっているお金なので、満期と投入時期を合わせられます。
ゆうちょ銀行の450万円からは、2026年1月から毎月30万円を住信SBIネット銀行へ「定額自動振込」する設定を開始しました。
450万円÷月30万円=15か月。 2026年1月に始めたので、2027年3月にはゆうちょの残高が空になる計算です。手で振り込む工程はどこにもありません。
残高が空になったあと、ゆうちょ銀行の口座をどうするかはまだ決めていません。 第39回 地方銀行を全解約|手数料880円で管理をシンプルにの地方銀行のように閉じる道もありますが、あのときは合併で手続きが煩雑になったという明確な理由がありました。今回はその理由がないので、急いで結論を出す必要もないと考えています。
※財形年金貯蓄は所定の条件を満たす場合に利子等が非課税となる制度で、目的外の払い出しでは課税の扱いが変わることがあります。解約を検討される際は勤務先または取扱金融機関にご確認ください。また記載のキャンペーンや金利条件は当時のもので、現在の内容とは異なります。
「守り」は別にある|生活防衛資金500万円
ここは誤解されたくないところです。余裕が40万円というのは、新NISAに充てる原資だけの話です。
| 役割 | 金額 | 置き場所 |
|---|---|---|
| 生活防衛資金(守り) | 500万円 | 三菱UFJ銀行の定期預金 |
| 新NISA投入原資(攻め) | 1,120万円 | 4つの口座に分散、投入待ち |
| 楽天証券の積立原資 | 月15万円 | 楽天銀行 |
原資の余裕が3.7%でも、生活が揺らぐわけではありません。 急な出費はこの500万円で受け止められるので、相場が下がった局面で投資信託を売らずに済みます。第40回 課税の先送り戦略|評価額2倍のファンド7本を売らない理由で特定口座の7本を売らずに持ち続けると決められたのも、ここに現金があるからです。
守りは三菱UFJ銀行の定期預金ひとつに集約しました。攻めを増やすほど、守りの置き場所をはっきりさせておく必要があります。
「守りの資金に」と書いた280万円は、いま攻めにいる
第20回 財形貯蓄を28年続けた結果|引き出しにくさが最強の味方では、24年続けた一般財形の280万円を「そのまま定期貯金として守りの資金に」と書きました。あの判断は、その後変わっています。
| 一般財形280万円の行き先 | 金額 |
|---|---|
| 住信SBIネット銀行 ハイブリッド預金 | 80万円 |
| 楽天銀行 普通預金 | 200万円 |
どちらも投資の買付ルート上にある口座です。つまり280万円は、すべて攻めの側へ移りました。 守りの役目は、三菱UFJ銀行の定期預金500万円が引き継いだ形です。
※この80万円は2節の原資表にある「SBIハイブリッド預金 190万円」の内数、200万円は楽天証券の積立原資の一部です。1,120万円とは別に280万円があるわけではありません。
「このお金は守り」と決めても、それは永久の決定ではありません。 役割はあとから付け替えられる。第22回 個人向け国債で時間外手数料ゼロ|利息より確実なポイ活と優遇の頃の私は、「あちこちの銀行に数百万円ずつ預金がある」状態そのものを安心の証だと思っていました。今は違います。金額ではなく、どのお金がどの役割なのかを言えることが、安心の中身だと考えています。
※生活防衛資金として必要な金額は、収入の安定度・家族構成・固定費の大きさによって人それぞれです。500万円という額や、預貯金を投資へ回す割合を推奨するものではありません。
貯金を投資に回すときの3つの確認
実際に段取りを組んでみて、先に確かめておいてよかったことです。
- 必要額を年でなく月に割り戻す — 360万円÷12か月=30万円。毎月その額を用意できるかが前提で、年額のままでは足りるかどうか判断できません
- 生活防衛資金を先に切り離す — 私は500万円を定期預金に固定したうえで、残りを投入原資としました。投入原資の余裕が3.7%でも平気なのは、守りを別枠にしてあるからです。順番を逆にすると危うくなります
- 待機資金の満期と投入時期を合わせる — 1年定期に入れるなら、そのお金を使うのが1年後かどうか。満期前に必要になると、中途解約で不利になります
よくある質問
Q. 貯金を取り崩して新NISAの枠を埋めてよいのですか?
取り崩す分と残す分を先に分けられるなら、ひとつの方法だと思います。 私は三菱UFJ銀行の定期預金に生活防衛資金500万円を固定したうえで、それ以外を投入原資にしました。預貯金のすべてを動かすのは、値動きがあるものに生活費を預けることになります。
Q. 新NISAの1,800万円を5年で埋めるには月いくら必要ですか?
年間の上限が360万円なので、月30万円です。つみたて投資枠が月10万円、成長投資枠が月20万円という配分になります。詳しい内訳は第37回に書きました。
Q. 投資に回す前の待機資金はどこに置けばよいですか?
私は「目的別口座」で普段のお金と分け、使う時期に合わせた定期預金に入れました。大事なのは、投入予定日より後に満期が来ないようにすることです。満期前に必要になると、中途解約で利息が減ってしまいます。
Q. 「定額自動振込」と「定額自動入金」は何が違うのですか?
振込は「送り出す側」、入金は「引き寄せる側」の設定です。私はゆうちょからは振込(送り出し)、地方銀行からは入金(引き寄せ)を使っていました。どちらも手で操作する工程がなくなる点は同じです。
Q. 枠を埋め終わったら、使わない口座は解約すべきですか?
残高が空になっても、すぐに閉じる必要はないと思っています。 私もゆうちょをどうするかは未定です。第39回 地方銀行を全解約|手数料880円で管理をシンプルにで地方銀行を閉じたのは、合併で手続きが煩雑になるという閉じる理由があったからでした。理由がないなら、置いておく選択もあります。
まとめ:20年前の50万円が、ここまで来た
2026年現在、私の資産はかつてないほど「シンプル」で「高純度」なものになろうとしています。
でも、やっていることは地味です。必要額を割り算し、原資を並べ、自動振込の設定を入れる。 相場を読んだわけでも、新しい商品を選んだわけでもありません。
20年前に50万円の投資信託をおっかなびっくり買った自分から、ここまで来ました。あちこちに分散していた預金が、攻めは一本の道へ、守りは一か所へと整理されつつあります。
ゴールが見えている計画は、淡々と進めるだけで済む。 それが、20年かけてわかったことかもしれません。
次回予告|第42回 クレカ積立はつみたて枠へ|成長投資枠を現金にした理由は、同じ2026年1月に行ったもうひとつの見直しです。月30万円は変えずに積立設定の内訳だけを入れ替えた、その理由をお届けします。
※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の金融商品・金融機関・クレジットカードを推奨するものではありません。記載のNISA制度の内容・サービス名・金利条件・キャンペーン内容はいずれも当時のもので、変更されることがあります。文中の金額はすべて私個人の家計における設定であり、金額の多寡や預貯金を投資へ回す割合を推奨するものではありません。投資信託は価格変動により元本を割り込む可能性があり、短期間に大きな金額を投じるほど購入時期の偏りによる影響も大きくなります。制度の最新情報は金融庁および各社の公式サイトでご確認のうえ、投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。



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