第36回 5銘柄を売ってオルカンへ|投信お引越しと新NISAへの布石

第36回 投信お引越し 投資信託いろいろ
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動き出した計画を、たった3か月で止めました。 前提が変わったからです。

2022年11月、私は「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」への集約をさらに加速させるため、SBI証券の「投資信託定期売却サービス」を活用した大胆な銘柄整理に着手しました。

この決断のきっかけとなったのは、投資信託クリニックのカン・チュンドさんのブログでした。

この記事の要点

  • 増えすぎた銘柄をオルカン1本へ集約する「お引越し」を開始
  • 特定口座の5銘柄を毎月29万円ずつ自動売却し、全額をオルカンへ再投資
  • 積立額は従来の5万円と合わせて月34万円にまで膨らんだ
  • 開始直後の2022年12月、新NISA決定のニュースが飛び込む
  • 3か月で計画を中止。資金を温存し、2024年の開幕に備えた

カン・チュンドさんの教え:投資は「シンプル」が一番

カンさんは、個人投資家へ向けて「銘柄を増やしすぎず、究極の1本に集約して管理コスト(心の負担)を下げる」ことの重要性を説いています。

私が受け取ったエッセンスは、次の3つでした。

  • 複数のファンドを抱えるのは「管理の迷宮」に入り込むようなもの
  • 投資の「出口(売却)」を意識するなら、資産は一本化されているのが最も合理的
  • 過去のファンドを売って、今の最良のファンドに買い換えることは「資産のリフレッシュ」である

この言葉に深く納得した私は、増えすぎた銘柄を整理し、オルカンという一本の太い柱へ「お引越し」させることを決めました。

「除く日本」だけは、あえて残した

ただし、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」だけは、お引越しの対象外としました。理由は2つあります。

  • オルカンとほぼ同じ値動きであること
  • iDeCoでも同じ銘柄を積み立てていること

第32回 投資者保護基金を意識しネット証券をもう一つ|オルカン爆誕で書いた通り、両者の違いは日本株式を含むかどうかだけです。わざわざ税金を払って持ち替えるほどの差ではないと判断しました。

①「定額売却」で進める資産のリフレッシュ

特定口座の5銘柄を、SBI証券の定期売却サービス(当時は定額指定のみ)を使って、計画的に取り崩していきました。

売却する銘柄毎月の売却額
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)10,000円
eMAXIS 先進国株式インデックス50,000円
eMAXIS 新興国株式インデックス30,000円
ニッセイ 日経平均インデックス100,000円
ニッセイ 外国株式インデックス100,000円
合計290,000円

この全額を、特定口座の「オルカン」へ再投資。これにより、毎月の積立額は従来の5万円に売却分を加え、月額34万円にまで膨らみました。

ただし、これは「税金を払いながら」の引っ越し

正直に書いておきます。特定口座での売却には、利益が出ていれば課税されます。

第30回 投資信託の移管手数料6,480円|証券口座をひとつに集約で書いた「移管」なら課税されませんが、別の商品に持ち替える以上、売却は避けられません。 つまりこのお引越しは、税金というコストを払ってシンプルさを買う行為でした。

この点が、次の判断につながります。

② 戦略の修正:新NISAの衝撃ニュース

ところが、この「お引越し」を始めて間もない2022年12月、投資界隈に激震が走るニュースが飛び込んできました。「2024年からの新NISA制度開始」の決定です。

非課税保有期間が無期限化され、年間投資枠が大幅に拡充される。このニュースを見た瞬間、私は自分の戦略を即座にアップデートしました。

続けた場合止めた場合
買い付け先特定口座(課税)新NISA口座(非課税)
将来の利益約20%が課税される課税されない
必要なこといま売って、いま買う資金を温存して2024年を待つ

売却して得たキャッシュを、2024年からの「新NISA口座」でのオルカン購入に充てるほうが、節税メリットがはるかに大きい。

そう判断した私は、2023年1月分のお引越しを最後に、定期売却と追加購入をいったん中止。資金を温存し、2024年の開幕へ向けて牙を研ぐことにしたのです。

3か月で動かしたのは、およそ87万円。計画の途中でやめたことになりますが、これは失敗ではなく、より有利な選択への乗り換えでした。

シンプルという強さを手に入れる

わずか数ヶ月の「投信お引越し」でしたが、銘柄の整理は進み、何より「新NISAへ向けて資産をどう動かすか」という明確なロードマップが描けました。

カン・チュンドさんのブログで学んだ「シンプルに徹する」という知恵と、時代の変化に即座に反応する柔軟さ。

これらがあったからこそ、私は2024年1月、迷いなく「新NISA」への全力投球を開始することができたのです。

銘柄を一本化するときの3つの注意

やってみて分かった、気をつけるべきことです。

  1. 課税を織り込んでから始める — 特定口座では、売った時点で利益に税金がかかります。「シンプルになる」という価値と、その税金を天秤にかけてください
  2. 中身が同じものは無理に動かさない — 私が「除く日本」を残したのはこのためです。手数を増やすだけで、得るものがない場合があります
  3. 制度の予定を確認してから動く — 私は新NISAの発表直前に始めてしまいました。大きな制度変更が控えている時期は、待つほうが有利なこともあります

よくある質問

Q. 投資信託の定期売却サービスとは何ですか?

毎月決まった額(または口数)を自動で売却してくれるサービスです。私が利用した当時のSBI証券では定額指定のみでした。一度に売らず、時間を分けて売却できる点が利点です。

Q. 銘柄は一本化したほうがよいのですか?

管理のしやすさという点では、間違いなく楽になります。 ただし特定口座での持ち替えには課税が伴うため、「シンプルさ」と「税金」を比べる必要があります。中身がほぼ同じものなら、無理に動かす意味は小さいと思います。

Q. 特定口座で売って買い直すと、税金はどうなりますか?

利益が出ていれば、売却した時点で課税されます。 同じ商品を別の金融機関へ移すだけなら移管という手がありますが、別の商品に持ち替える場合は売却が必要です。

Q. なぜ計画を途中でやめたのですか?

新NISAという、より有利な受け皿が決まったからです。課税口座で買い直すより、非課税口座で買うほうが将来の手取りが変わります。始めたことを最後までやり切ることより、前提が変わったら見直すことを優先しました。

まとめ:やめる判断も、戦略のうち

3か月で止めた計画を、私は失敗だとは思っていません。より良い選択肢が現れたから乗り換えた。 それだけのことです。

第35回 8資産均等型からオルカンへ|データを見直し積立先を一本化では前提が崩れたから方針を変えました。今回は環境が変わったから計画を止めました。続けることが目的になっていないかを、ときどき確かめる必要があるのだと思います。

次回予告第37回 新NISA1,800万円を最速5年で|全自動で月30万円積立は、温存した資金を投じる日の話です。2024年1月の新NISA開幕に合わせ、1,800万円の枠を5年で埋める体制を組んだ記録をお届けします。

※本記事は個人の経験に基づく内容であり、特定の金融商品・金融機関・情報発信者を推奨するものではありません。文中のカン・チュンド氏の考え方についての記述は、私がブログを読んで受け取った理解に基づくものです。記載のサービス内容・NISA制度の内容は当時のもので、現在とは異なる場合があります。特定口座での売却益には課税されます。投資信託は価格変動により元本を割り込む可能性があります。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします

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